人を説得するためには、根拠となる数字や後押しができる数字が必要です。
この数字を作ることができるようになると、あらゆることがスムーズに進むようになり、仕事でもコントロールできる範囲が増えます。
目次
30秒でわかる本記事のまとめ
- 数字なら高解像度で意思疎通ができる
- 数字は判断材料
- 数字を作るにはデータの収集から
- 数字は相手に理解しやすいカタチに変換する
数字を作る力は、どのようなシーンで活用できるのか?
冒頭でも記載した通り、あらゆるシーンで数字は活用できます。
しかし、そもそも、なぜ数字を作ることで上司を説得しやすくなったり、自分の考えで物事を進めやすくなったりするのか?
この「○○(上司)を▲▲(説得)しやすくなる」という部分に疑問を持つ方も多くいると思いますが、これは数字を使うことで、高解像度で意思疎通ができると考えていただけたらいいです。
数字を活用できるシーン
- 営業の際に販売しやすくなる
- 上司を説得しやすくなる
- 自分の考えで物事を進めやすくなる
- 周囲の理解を得やすくなる
数字を活用する効果
BtoC製品の場合 | 新しく何かを始めることや購入することを失敗したくないという不安を解消できる |
BtoB製品の場合 | OKサイン、GOサインを出す人(上司など)に自分の考えを理解してもらいやすくなるまた、その人が判断することができる |
数字を作るためのデータ作成(下準備)
まず、数字を作る際に必要になる元データですが、大抵ほしいデータはないため自身で作成する必要があります。
作成する際の下準備のポイントは、「必要になりそうなデータを洗い出す」「抜け漏れがないかしっかりと確認する」「データに優劣をつける」です。
ポイント① 必要になりそうなデータを洗い出す
まず、「このデータがあれば、説得できるだろう」と思える物をリストにして作成します。
既婚者がパートナーへ小遣いアップを交渉する場合 |
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小遣いアップがどのような効果をもたらすのか |
世間一般の小遣いがどれくらいなのか |
自身の小遣いの使い方とアップする必要性 |
営業がお客様に製品を販売する場合 |
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製品を購入することで、どのような変化があるのか |
既存ユーザーの評価や声 |
他の製品と比べて、どのような強みがあるのか |
お客様にとって販売している製品がどれほど必要なの |
業務管理システムを販売している場合 |
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どれだけ楽になるのか |
どれだけ労働時間を削減できるのか |
どれほどの人件費削減につながるのか |
世間的にどれほど浸透しているのか |
飲食店の販売データ管理システムを販売している場合 |
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売上改善にどのようなアプローチができるようになるのか |
システム管理することでどのように効率化できるようになるのか |
労働時間がどれくらい短くなったのか |
会計ミスがどれくらいなくなるのか |
ポイント② 抜け漏れがないかしっかりと確認する
データ収集は一人で行える物ではありません。
自身でお客様に聞く場合もあれば、他者に聞いてもらう場合もあります。社内の人にデータの収集方法や手順の承認を得る必要がある時もあります。そのため、可能な限り一度で行うことがスマートです。
その場合、ポイント①で作成したリストを振り返ることも重要ですが、仮のデータを少量割り当ててみることで、実際にそのデータでクロージングしたい対象に響くかを考えます。そうすることで、作成しようとしているデータが活用できるか否かの解像度が高くなります。
また、仮データの割り当てを実施して問題なかった場合、次に身近な人や会社の同僚へ自身の作成したデータ収集項目と考え方、仮データについて見てもらいましょう。一人ではなく、二・三人に見てもらうことをおすすめします。特に会社の場合、同僚や先輩を活用しましょう。
そうすることによって、自身にはなかった視点が取り込めたり、不要な物を取り除くことができたり、会社や社会のルール的にNGなことがわかったりと精度を高めることができます。
ポイント③ データに優劣をつける
データに優劣をつけることで、収集するデータを再度精度することができ、回答を得やすくなります。例えば、先ほどの業務管理システムを販売している場合の必要になりそうなデータリストは以下のようなものでした。
業務管理システムを販売している場合 |
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どれだけ楽になるのか |
どれだけ労働時間を削減できるのか |
どれほどの人件費削減につながるのか |
世間的にどれほど浸透しているのか |
この項目量がアンケートに答える側にとって、項目が多いと感じてしまう場合があります。その場合、優劣をつけていないと項目を減らすことができません。
また、実際にお客様に営業する場合で考えた際に、「必要な訴求ポイントは労働時間の削減と人件費の削減だけで十分」と実質2つだけで大丈夫な場合もあります。
その場合は、項目数を減らして回答率を高めることに注力するのも1つのコツです。また、今回は使わないかもしれないが、セールストークでもしかしたら使う機会があるかも知れないので回収しておきたいという場合は、項目を減らさずアンケートを実施するのも1つの考えです。
少し先のことを考えて項目の優劣を判断し、採用・不採用を決めましょう。
数字を作るためのデータ作成(収集方法)
項目ができたら、次はデータの収集方法を決めます。
収集方法
・社内アンケート
サービスの解約率や製品の売れ筋ランキング、採用サイトに掲載する社内情報などの社内でしか知りえない情報収集向きの手法です。
・お客様アンケート
実際の利用者様の声をアンケートにするので、製品・サービスの生の声を届けることができます。当事者の声では信用を得ないことであっても、第三者の声では信用する経験ってありますよね?口コミと同じで周りの人がいうなら信頼できると思ってもらいたい情報の収集に向いた手法です。
・アンケートサイト
膨大なアンケートを実施して、より高価な「一番冷える冷蔵庫ランキングNo.1」や「タイピングしやすいキーワードランキングNo.1」などのNo.1データを作りたい場合に適した手法です。
また、アンケートサイトの場合、「出勤にかかる時間は?」「タバコを吸う人に質問です。一日何本吸っていますか?」「お風呂に入って先に洗うのは?頭or体?」などのアンケートも性別や年齢を問わずに不特定多数にできます。
アンケートの制限はありますが、無料でできるアンケートサイトならQuestantさんが気軽に始めれておすすめです。
収集方法が決定したら、次はどのような方法で実施・回収するか決めます。
実施方法
・アンケートフォーム
定番のアンケートフォームですが、アンケートフォームを使うメリットとして、工数を少なく実施できる点と簡単に回答できるという点があります。
ただ、個人的にはメルマガやSNSでのアンケートはお客様とのつながりが強くないと回答率はかなり低くなるので、つながりが弱い会社の場合おすすめできません。
・電話
電話でのアンケートは、電話をかける工数と答える側のタイミングや手間があるので、少しハードルが上がりますが回答率は高くなります。
個人的に一番コスパがいい手法だと思います。また、「メールでアンケートを送るので答えてもらいたい」と電話をかけて、回答はアンケートフォームというのもおすすめです。
もちろん他にも、メールにアンケートを書いて直接返答してもらったり、SNSでDMを送って聞いてみたり、客先に訪問して直接聞くのもありですが、「一人で行うのか・誰かの手を借りるのか・回答率はどうか・工数はどれくらいか・その方法で周囲は納得してくれるか」などを考慮して決めましょう。
データを見やすい数字にする
データが収集できれば、数字はできたも同然です。
ですが、ここまで頑張って集めたデータもただ数字を羅列するだけでは、相手に理解してもらえないことがあります。
相手が数字の羅列を見て、「どういう数字なんだ?」と努力してでも理解したいと思っていれば問題ないですが、大抵の場合、複数のサービスや製品で悩んでいます。そのため、パッと見てわかるデータの見せ方をして「ほしい!」「私に合ってるかも」「会社に合ってるかも」「これなら上司もOKしてくれるかも」「だからこの金額か」「だからこんなに売れているのか」「だから解約率が低いのか」といった考えに早々に移ってもらうことが重要です。見やすいカタチに変換して、理解の後押しをしましょう。
最後に
・アンケートを実施しても回答率が悪そうと思う場合の対処法
最悪、特典を与えていい許可を事前に取得しておく。またはスルーする。
・効率よく実施するためにできること
他者に「アンケートよろしく!」と頼んだ時、思っているような動きにならなくて効率が悪いと感じることがあります。そのようなことを回避するために、トークスクリプトを用意して相手が「簡単にできる」「手間じゃない」と感じる環境を作りましょう。
また、実施する意図や意味、それによって得られるベネフィットを理解していない場合も同様に思っている動きから逸れます。そのため、する理由を再度落とし込みしましょう。